行く前よりも、ほんのちょっとだけ。私が「帰りの飛行機」を愛する理由

こんにちは。翔子です^^

旅の目的が、見たことのない絶景に出会うことであっても、その土地の美味しいものを食べ尽くすことであっても、私にとっての本当の「ハイライト」は、実はすべてのスケジュールを終えた帰りの飛行機の中にあります。

「旅の始まりのワクワク感が一番楽しい」という人は多いかもしれません。確かに、行きの飛行機で「何をしよう」「どこへ行こう」と胸を膨らませる時間は最高にエキサイティングです。

けれど、私がどうしようもなく愛おしく、大切にしたいと思うのは、決まって「帰り」のフライトなのです。

窓の外に遠ざかる街と、心地よい疲労感

旅先でのすべての行程を終え、空港のゲートをくぐり、指定されたシートに深く腰掛ける。

飛行機が静かに滑走路を動き出し、ゴーーッという音とともにふわりと浮き上がる瞬間、私はいつも窓の外をじっと見つめてしまいます。

だんだんと小さくなっていく街の明かりや景色。

それを見つめながら、体中にじんわりと広がる心地よい疲労感に身をまかせていると、あるひとつの幸福な変化に気づくのです。

「行く前よりも、ほんのちょっとだけ、自分のことが好きになっている」

これこそが、私が飛行機に乗る、ひいては旅に出る最大の理由なのかもしれません。

記憶に刻まれた「面白い経験」という、目に見えないお土産

見知らぬ街の路地裏を歩き、初めての味に驚き、その土地の人と言葉を交わす。

旅先で過ごしたすべての時間が、私の中に「面白い経験」として新しく蓄積されていきます。

ときには、乗るべき電車を間違えて焦ったり、言葉が通じなくて身振り手振りで必死に伝えた、なんていう小さなハプニングもあるかもしれません。けれど、それすらも帰りの機内では「あのおかげで、面白い出会いがあったな」と、愛おしい思い出の1ページに変わっています。

たくさんの「初めて」を通り抜けて、行く前よりも少しだけ視野が広がり、引き出しが増えた自分。

そんな経験という名のお土産をパンパンに詰め込んだ心で乗るフライトは、どこか自分を誇らしい気持ちにさせてくれるのです。

日常に戻る前の、贅沢な「心の余白」

飛行機の中は、日常の通知やSNSの手から離れられる、ある意味でとても贅沢な「遮断された空間」です。

機内の照明が少し落とされ、エンジン音だけが優しく響く静かな時間。

スマホのカメラロールを最初からスクロールしながら、「こんな面白いことがあったな」「あそこへ行って本当によかったな」と、新しく増えた経験を一つひとつ、自分の心にじっくりと染み込ませていく。

このフライトという名の「余白」の時間があるからこそ、私たちはただ元の日常に「戻る」のではなく、「ちょっとだけアップデートされた新しい自分」として、また明日からの日々へ踏み出せるのだと思います。

おわりに

日常のルーティンに少し心が疲れてしまったときや、自分のことが少し見えなくなってしまったとき。

私はまた、帰りの機内で「ほんのちょっと自分を好きになる」あの特別な瞬間を味わうために、次の旅のチケットを探し始めるのです。

みなさんにとっての、旅の「一番好きな瞬間」はどこですか?